数年の社会人経験を積み、一通り業務をこなせるようになる25歳。なかには将来を見据えて、転職を考える女性もいるのではないでしょうか。若手であり、しかし社会人としてのマナーやスキルを備えた25歳は、転職において売り手市場です。しかし、誰でも転職を成功させられるわけではありません。
今回は、転職において25歳女性がどのように見られているのかや、転職を成功させるポイント、25歳でも転職が厳しい女性の特徴など、25歳の転職における事情を網羅的に解説します。
- 25歳は転職市場において売り手市場
- 売り手市場ではあるものの、複数回転職を繰り返しているなど転職が難しい女性もいる
- 転職先を選ぶ際は、実際に働いている女性の口コミや評判を参考にすべき
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25歳女性の転職市場からの見られ方
25歳の女性が転職する際、企業側からは下記のような視点で見られます。
20代はまだまだ伸び代が多いため、企業側もそこを考慮してスキルや能力よりも成長性を重視したポテンシャル採用を行います。一方で、25歳は新卒で就職した場合、社会人4年目の年です。また、高卒から働いている場合は、社会人歴8年目になります。
そのため、ポテンシャルを重視しつつ、基本的なビジネススキルを備えているとして即戦力としての活躍も期待されます。
基本的なビジネススキルを身に付けている
いつから働き始めたかにもよりますが、第二新卒に該当する25歳は社会人経験が3~7年程度あることが多いでしょう。25歳は多かれ少なかれ経験した仕事を通して、基本的なビジネススキルを身に付けていることを期待されます。具体的には下記のようなスキルです。
- コミュニケーションスキル
- 社会人としてのマインド
- ビジネスマナー
- 協調性
- 基本的なパソコンスキル
これらは汎用性の高いスキルで、どの業界・職種においても必要性の高いスキルです。いわゆるポータブルスキルが身についていないと、社会人としてのベースができていないと見られ、転職市場では相手にされないことが多くなります。
何かしら専門分野の知識を持っている
社会人経験を数年積んだ25歳には、これまで従事した業務に関する専門的な知識を持っていることが期待されます。異業種においてはその知識を使う場面は少なくなるため、転職で重視されることはないかもしれません。しかし、同業種に転職する場合は、専門知識を身に付けている人のほうが即戦力とみなされ、採用されやすくなります。
たとえば現職が営業職の場合は、コミュニケーション能力をはじめ、交渉力やプレゼンテーション能力、業界に関する知識などです。特に同じ業界にいた場合は、業界特有の内情もわかるため、重宝されやすいでしょう。
一方、25歳で精通している分野がないということは、短期間で仕事を変えている、または真面目に取り組んでいないなどと見られてしまいます。専門分野がないことが即不採用に繋がるわけではありませんが、25歳の転職市場における価値を高めるためにも、何かしらの専門知識は持っておいたほうが有利になるでしょう。
伸び代もありポテンシャル次第
第二新卒である25歳はまだまだ若手人材です。即戦力とはいかなくても、教育・育成することで会社に大きなメリットをもたらすポテンシャルを秘めている年代とも言えます。そのため、企業側は、磨けば光るダイヤの原石を探すつもりで採用に望んでいます。
異業種に転職する場合は、基本的なビジネススキルを持っているうえで、特定の業界に染まりきっていないことから、少ないコストで教育ができるとして需要が高くなります。同業種においては、これらに加えて専門性のある知識を持っていることから、より少ないコストで教育を実施できるため、喉から手がでるほど欲しい人材でしょう。
ただし、企業側も年齢だけで判断しているわけではありません。当然ですが、面接などで転職理由や自己PRをどのように伝えるかによって「ポテンシャルがあるかどうか」を判断されるため、選考の歳には企業側に伸び代を期待させるような工夫が必要です。
25歳女性に多い転職する理由
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、25~29歳の女性が転職する理由としてもっとも多かったのは「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」です。
年齢層 | 割合 |
---|---|
労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 18.4% |
職場の人間関係が好ましくなかった | 14.8% |
仕事の内容に興味を持てなかった | 9.0% |
給料等収入が少なかった | 7.2% |
能力・個性・資格を生かせなかった | 6.1% |
25歳は仕事もプライベートも充実させたい年頃です。また結婚などのライフステージの変化を意識しだす年齢でもあるため、プライベートを重視したい人が多くなります。そのため、労働時間や休日などの労働条件改善のため、転職に乗り出す人が増えるのでしょう。
また、これから先の長い職業人生を考えたときに、人間関係に恵まれた環境に身を置きたいと考えるのは至極当然のことです。さらに業務内容があっていない場合も同様で、せっかく働くならやりがいのある仕事をしたいと考えるでしょう。環境も含め、仕事における自身の将来性を鑑みた結果、転職を選択したということが窺えます。
25歳女性の働き方の傾向
厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進等に関する参考資料」によると、25~29歳の女性の就労形態は下記のようになっています。
年齢層 | 割合 | |
正規雇用率 | 約60% | |
非正規雇用率 | 全体 | 約18~19% |
パート・アルバイト | 約12~13% | |
派遣社員 | 約3% | |
契約社員 | 約3% |
総務省の「労働力調査」(令和5年)
正規雇用率は20~24歳から徐々に増え、25~29歳で最も高くなります。25歳までに増える理由としては、新卒が正社員で採用されることもありますが、第二新卒までの間に正社員を目指した転職が盛んに行われることもあるでしょう。
また、25~29歳の正規雇用率が高い理由には、転職市場のニーズが関係しています。ポテンシャルもあり、社会人としての基礎ができている第二新卒は、企業にとって最もありがたい存在です。正社員での募集も多く、企業側も積極的に採用するため、正規雇用率が上がっていると考えられます。そのため、25歳は正社員を狙った転職に最も適した時期と言えるでしょう。
25歳女性の平均年収
25歳の場合は、ポテンシャル採用と即戦力採用が入り交じる年齢です。どちらで採用されるかによって求められるスキルや業務内容が異なり、それに伴い年収も変わってきます。特に即戦力採用の場合は、マネージャーや管理職などの役職が付くケースもあるため、ポテンシャル採用よりも年収が高くなることが多いでしょう。
さまざまな条件の違いはありますが、以下のとおり25~29歳女性の平均年収は、「360.7万円」となっています。
年齢層 | 平均年収 |
---|---|
19歳以下 | 115.9万円 |
20~24歳 | 256.5万円 |
25~29歳 | 360.7万円 |
30~34歳 | 353.1万円 |
35~39歳 | 347.5万円 |
「民間給与実態統計調査結果」とは、民間事業所の給与実態を階級別、事業所規模別、性別・年齢別など区分別に明らかにしたものです。上記の表からもわかるとおり、各年代において25~29歳が最も平均年収が高くなっています。これは正規雇用率が多いことが関係していると推測されます。
一概には言えませんが、転職によって年収を上げたい人もいるでしょう。しかし、未経験業種への転職を考えている場合は、ポテンシャル採用となるため、年収は一時的に下がることが考えられます。同業種であってもスキルや能力が低いと評価されたり、休日が多かったりする場合は、年収アップは見込めません。
25歳女性が転職を成功させるポイント
25歳女性は転職において売り手市場です。しかし、すべての人が希望の職種・条件で転職を成功させられるわけではありません。それではどうすれば転職を成功させられるのか、そのポイントを見ていきましょう。
転職の視点 | 転職成功のポイント | |
キャリアプランから考える | 同業種でキャリアアップを図る場合 | ・現職にはない転職先の魅力と、自身の仕事に対する考え方が合致することをアピールする |
異業種にキャリアチェンジする場合 | ・教育体制が整っている会社を選ぶ ・異業種を選択した理由を明確に言えるようにする | |
ライフプランから考える | 結婚のタイミング | ・結婚による生活の変化が落ち着いてから転職する ・キャリアプランを明確にしておく |
出産・育児のタイミング | ・育児が落ち着いてから転職する ・出産・育児を予定している場合は、早めに行動する | |
復職のタイミング | ・やむおえない事情があるなど、転職理由を工夫する |
男女平等が世間に浸透して久しいですが、まだまだ女性が家事・育児を担うことが多いのが実情です。そのため、女性の場合は、転職に際して「キャリアプラン」と「ライフプラン」の両面を考慮する必要があります。
何を優先するかにもよりますが、たとえば結婚を控えている場合、引越し先から職場までの距離や、パートナーとの生活リズムが合うかどうかなどを考えたうえで、転職先を選ぶといった感じです。
キャリアプランから考えるポイント
キャリアプランとは、仕事や働き方に関する将来設計です。将来、どのような仕事に就き、どのような働き方をしたのかを考え、その計画に沿って転職の方向性を考えます。
たとえばキャリア志向が強い人の場合は、「30歳で管理職になり、チームをまとめて大きなプロジェクトを成功させたい」「ゆくゆくは経営に関わりたいので、マネジメント職として昇進し続けたい」などが考えられます。こうした女性の場合、「30歳でパート・アルバイトに雇用形態を変える」というキャリアプランを組んでしまうと、こんなはずじゃなかったと後悔する可能性が高くなります。
キャリアプランは仕事に対する考え方も反映されるため、「これが正解」というものはありません。まずは自分が仕事に対してどのような考えを持ち、どのような姿勢で挑みたいのかを深掘りし、理想のキャリアプランを計画してみましょう。
同業種でキャリアアップを図る場合
現職が好きで、同業種でのキャリアアップを図りたい場合は、次のポイントを意識して転職活動を行いましょう。
- 転職先の会社の選び方:現職で不満に思っている点を満たせる企業を選ぶ
- 面接対策:より活躍できる環境に身を置きたいなど、ポジティブな内容を伝える
- 転職後の働き方:これまでの経験やスキルを活かしたうえで、転職前と転職先の企業の良いとろころを融合させ、企業に新たな発想をもたらせるようにする
同業種でポジションも同じ場合、転職先でも現職でも業務内容はほぼ変わりません。そのため、業務内容以外で不満に思っている点を書き出し、転職先はそれを満たせる企業を選ぶ必要があります。
業務内容だけでなく業界特有の事情も同じであるため、面接対策においては、現職にはない転職先の魅力と、自身の仕事に対する考え方が合致している点をアピールするのがおすすめです。ただし、ネガティブに伝えてしまうと入社後にトラブルを起こすかもしれないなど、印象が悪くなるため、ポジティプな言い方になるよう工夫しましょう。
転職後は、前職で得た知識や考え方、スキルを転職先の風習・風土とうまく融合しながら、仕事に挑みます。「前職ではこうだった」と押し付けるのはNGです。両企業の良いところを合わせることで、新たな企業文化を生み出せるようにしていきましょう。
異業種にキャリアチェンジする場合
25歳はキャリアアップだけでなく、キャリアチェンジにも最適な年齢です。なぜなら20代後半になると、20代前半から20代半ばに比べてポテンシャル採用が少なくなるからです。
さらに30代以降になると、ポテンシャル採用はほぼなくなります。そのため、25歳前後はキャリアチェンジの最後のチャンスとも言えます。このチャンスを活かして異業種にチャレンジする場合は、次のポイントを意識しておきましょう。
- 転職先の会社の選び方:教育体制が整っている会社を選ぶ
- 面接対策:興味を持ったきっかけなど、熱意を持って伝える
- 転職後の働き方:「見習い」のつもりで知識やスキルをいち早く吸収できるよう尽力する
異業種に転職する場合、業務関連の知識やスキルがない状態です。そのため、教育体制が整っている会社を選ぶ必要があります。教育体制が整っていないと、業務を覚えるどころか右往左往するだけで貢献できない状態になるので、転職先で辛い思いをするでしょう。
異業種に転職する際に面接で必ず聞かれるのが、「転職先としてこの業界を選んだ理由」です。別業界にいたのになぜ興味を持ったのか、どうして身を置こうと思ったのかを面接官が納得できるよう熱意を持って伝えられるかが勝負になります。
転職後は積極的に同僚や先輩などに話しかけ、知識やスキルを吸収していち早く即戦力になろうとする姿勢が大切です。教えてもらうのを待つ受け身の姿勢では、業務を覚えられるスピードも遅くなるうえに良好な人間関係の構築も遠ざかります。そのため、入社後は積極的に学ぶ姿勢を取り、やる気を見せていきましょう。
スキルなしで未経験の業界に転職するためのコツは、「25歳女性がスキルなしで転職成功させるポイント」で詳しく解説しているので、このまま読み進めてください。
ライフプランから考えるポイント
25歳以降は、結婚や妊娠・出産などのライフステージの変化を経験する女性が増えます。そのため、この時期に転職する際にはライフプランも考慮しておかなければいけません。
具体的には「産後も復職しやすい環境の職場に転職したい」や、「子持ちでも独身女性や男性と変わらず、キャリアを積める制度が整っている職場が良い」などです。特に産後も仕事を続けたいという女性においては、選ぶ会社によって「出産を機に退職を余儀なくされる」など、思い描いたキャリアを実現できないケースもあります。
そのため、既婚女性や子持ち社員に優しい制度やサポートがあるかどうかは重視すべきポイントになります。
結婚のタイミング
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、25~29歳の女性で「結婚」を理由に転職する女性は5.3%ほどいるとされています。
年齢層 | 割合 |
---|---|
19歳以下 | 0% |
20~24歳 | 1.6% |
25~29歳 | 5.3% |
30~34歳 | 2.7% |
35~39歳 | 1.2% |
40~44歳 | 1.3% |
19~44歳の年齢帯のなかで「結婚」を理由に転職する割合は、25~29歳が最も多く、一般的に適齢期と言われる年齢で結婚する人が転職市場においても多いことがわかります。
結婚を機に転職する理由としては、「新居から会社が遠くなるため通勤が難しい」や「パートナーと生活リズムを合わせるため」、または「妊娠を希望しており、産後のことを考えて時間に融通が利きやすい会社に転職する」などが考えられます。そのため、決してネガティブな理由ではなく、自身と家族の将来を考えての転職ということです。
すべての人に該当するわけではありませんが、結婚を控えているまたは将来的に結婚を考えている女性が転職を希望する場合は、新居が決まったタイミングや新婚生活に慣れてきたタイミングなどで転職するのがおすすめです。また、妊娠・出産を希望する場合は、子育て支援・サポートが充実した会社を選ぶと、産後のキャリアも諦めずに済むでしょう。
出産・育児のタイミング
同じく厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、25~29歳の女性で「出産・育児」を理由に転職に踏み切った女性の割合は1.4%です。
年齢層 | 割合 |
---|---|
19歳以下 | – |
20~24歳 | 0.3% |
25~29歳 | 1.4% |
30~34歳 | 5.2% |
35~39歳 | 2.6% |
40~44歳 | 3.7% |
どの年代であっても「労働条件が悪い」や「人間関係が悪い」などが転職理由の大多数を占めます。そのなかでトップ5にも入らないため、出産・育児は転職理由としてボリュームゾーンではないと言えます。
さらに、出産・育児を機に転職するとなると、現実的に採用してくれる企業が見つかりづらくなります。そのため、前項でも紹介した結婚を機に転職する人のほうが多いのでしょう。
現在、妊娠中で出産を控えている女性は、育児が落ち着くまで転職を控えたほうが転職の成功率を高めやすくなります。一方で将来的に出産・育児を予定している女性の場合は、産休・育休に入る前に業務に慣れておくためにも、早めに転職活動を行うことをおすすめします。
なお、せっかく入社した会社を出産・育児を機に退職するのはもったいないため、復職制度が充実している会社を選びましょう。
復職のタイミング
育休中に配置転換されたり、雇用形態の変更を強いられたりするなど、復職のタイミングで転職を検討する女性も一定数います。そうした場合は、復職してからでは身動きが取りづらくなるため、とにかく早めに行動するのがおすすめです。
ただし、企業によっては育休中に転職する人に対して悪い印象を抱くケースもあります。その場合は、自ら言い出す必要はありませんが、質問されたら「仕事と育児の両立が難しかったため」など、やむおえない事情により転職活動をしていることを伝えましょう。
転職先に選ぶのは、時短勤務やリモートワーク可能など、仕事と育児の両立が可能な育児支援・サポートが充実している企業です。また、子持ちでもキャリアを築ける指標として、女性管理職が多い企業も有力候補になるでしょう。
女性にとって25歳での転職が遅いと言われる理由
SNSなどでは「25歳での転職はタイミング的にもう遅い」などと言われることがあります。しかし、25歳は年齢的にも若く、キャリアチェンジするのにも最適な年齢です。基礎的なビジネススキルが備わっているうえに柔軟性も高いため、転職市場でも積極的に採用が行われています。そのため、「25歳での転職は遅い」は何の根拠もない噂にすぎません。
むしろポテンシャル採用が主流な年代なので、失敗してもやりなおせるチャンスがあるという意味でも25歳での転職はまったく遅くありません。
25歳での転職が厳しい女性とは
売り手市場の25歳でも転職が難しい女性もいます。具体的には下記のような特徴を持つ女性です。
簡単にいうと、「早期離職が予想される女性」です。25歳の段階で複数回転職を繰り返しているということは、数ヶ月から1~2年の短期間で仕事を辞めていることが予想されます。また、ライフステージの変化を予定している人の場合は、それを機に退職の恐れがあります。採用や教育にもコストがかかるため、企業側としてはできれば定年まで働いてほしいと思っています。
そのため、早期離職を彷彿とさせる特徴を持つ女性は、転職市場で人気のある25歳であっても転職活動で苦戦を強いられるでしょう。
複数回の転職を繰り返してる人
新卒で社会人になった場合、25歳だと社会人歴は3年です。その間に1回以上転職しているとなると、1つの企業に勤めた期間が短くなります。たとえば2回転職した場合、勤務期間は最長2年です。早ければ数ヶ月程度で転職していることも考えられるため、企業側としては早期離職が懸念されます。
この場合は、「スキルアップのための転職」など、正当な理由で転職したことをアピールしましょう。また、早期離職の不安を払拭するためにも長く働けることを伝える必要があります。
直近でライフステージの変化を具体的に予定している人
直近で具体的なライフステージの変化を予定している人は、その状況が落ち着くまで転職を待つほうがよいでしょう。企業側としては結婚、出産・育児を機に早期離職が懸念されるため、歓迎しづらいからです。まだ具体的ではない場合は、すぐに転職活動を開始するのがおすすめですが、結婚が決まっていたり、妊娠していたりする場合は、プライベートの状況が落ち着くまで待ってから転職に挑むほうが、合格が出やすくなります。
ただし、結婚を機に転職する場合は、面接でライフプランを考慮したキャリアプランに言及することで早期離職の不安を払拭できます。「出産後も復職してこういう仕事をしたい」など、その会社での展望を伝えることで、企業側も採用しやすくなるでしょう。
転職目的が曖昧で明確に説明できない人
転職の目的が曖昧な人は志望動機がわかりづらいため、企業側は採用を出しづらくなります。もし採用されたとしても今よりも労働条件や環境の悪い職場になる可能性が高いため、曖昧な目的での転職や思いつきでの転職は避けましょう。
また、明確な理由を持たずに転職した場合は、転職先でも同じことに不満を抱く可能性が高く、再度転職する羽目になりかねません。そのため、「転職したい」と思ってもまずは一旦立ち止まり、転職したいと思った理由を深掘りすることが大切です。自分一人で言語化するのが難しい場合は、友人や家族などに相談するのもありでしょう。話をすることで、現職のどこに不満を抱えているのか、どうすれば解消できるのかを整理しやすくなります。
25歳女性がスキルなしで転職成功させるポイント
スキルなしの異業種に25歳女性が転職する場合は、下記のポイントをおさえておく必要があります。
25歳は転職に最適な年齢ですが、20代後半になるとライフステージの変化を迎えるなど、身動きが取りづらくなります。また、即戦力採用へと転職市場が切り替わるため、未経験への転職で採用が出づらくなっていきます。つまり、25歳はキャリアチェンジの最後のチャンスとも言える年齢です。
そのため、今回の転職での失敗を避けるために、企業研究はもとより業界研究も徹底的に行いましょう。その過程で業界の特性と自分の性格などを踏まえた、適性判断ができます。もし業界研究の段階で適性がないと判断できれば別の業界を目指すのもありです。
企業だけではなく業界研究を徹底的に行う
就職・転職の際には企業研究を行うのが基本ですが、未経験の場合はチャレンジする業界・職種についても詳しく知っておく必要があります。興味を持つきっかけは「なんとなく」でも大丈夫ですが、採用試験では当然ながら通用しません。人事・採用担当者が納得のいく理由を見つける必要があるため、業界・職種の研究を通して興味を持った理由を深掘りしましょう。
また、業界・職種を研究し、特徴や特性が分かれば適性も見えてきます。その結果、適性ありと判断できれば自信を持ってその業界に進めるでしょうし、反対に適性がないと分かれば引き返すことも可能です。
25歳の転職はやり直しがききますが、即戦力採用に切り替わる30代を目前にしているため、チャンスは限られてきます。そのため、未経験業種にチャレンジする場合は、企業研究とあわせて業界研究を行い、慎重に適性を見極める必要があります。
未経験でも積極的に採用する業界を選ぶ
Web業界は人材の流動性が高く、IT業界は人材不足が深刻化しています。さらにもともとスキルがなくても働ける業界であるうえに、入社後の実地業務でスキルは身に付ければ良いという体育会系の考え方をする企業が多いため、これらの業界はスキルなしでも採用される可能性が高い傾向にあります。
- Web業界
- IT業界
Web業界、IT業界と言っても、WebライターやWebデザイナーをはじめ、ITエンジニアや営業、事務などさまざまな職種があります。特にIT業界においては、プログラミングなどの事前知識が必要な職種も一部ありますが、Web業界はほぼ未経験からでも業務が可能です。
IT業界においては、営業や事務、ヘルプデスクなどであれば、求められる知識・スキルも低くなるため、未経験でも応募しやすいでしょう。
【Web業界・IT業界で働く女性の口コミ・評判】
20代後半 / 正社員 / プログラマ(オープン系・WEB系) / 役職なし
未経験でも平等に経験を得ることができ、チームリーダーへの昇進なもが見込めるので、実力があれば性別に関…続きを読む
20代後半 / 正社員 / WEBデザイナー / 主任
仕事をしていく上で「男だから」「女だから」という差で物事を分けられることは一切なく、責任や昇進の可能…続きを読む
20代後半 / 正社員 / WEBデザイナー / 役職なし
チームを大切にする会社です。性別関係なく活動しています。上下関係はありますが、感じさせないくらい、距離が近いので仕事もスムーズに進みます。子育てとの両立もしやすい環境かと思います。…続きを読む
スキルなしでもできる仕事はたくさんありますが、自身の特性や希望する条件に合致した最適な仕事を選ばないと、再度転職する可能性が高くなります。
しかし、適職は自分だけで判断するのは難しく、そこで転職を諦めてしまう人もいるでしょう。「適職診断」では簡単な質問に答えるだけで、あなたに最適な業種・職種をお知らせします。一つの目安としてぜひご活用ください。
年収よりも仕事内容を優先する
転職しようとする場合、現職に何かしらの不満・不安を持っており、それを解消するために行動している人がほとんどでしょう。その際、現職よりも年収や労働環境を良くしようとするのが一般的ですが、25歳で未経験業種に転職する場合は年収が下がるのがケースが少なくありません。
特に大手企業から中小企業に転職する場合は、年収が大きく下がるケースが多いので、年収を下げたくない人は一旦、現職に留まることも選択肢の一つです。
年収が下がってもやりたいことがある場合は、業務内容を優先して転職先を探しましょう。業界や会社の規模などにもよりますが、転職後に経験とスキルが付いてくれば評価に繋がり、年収が上がることも考えられます。もし転職先でいつまで経っても正当な評価を得られない場合は、その業界で身に付けたスキルや経験を武器に即戦力として再度転職することもできるでしょう。
ネガティブな退職ではなくポジティブな転職であることをアピールする
転職する理由はさまざまです。なかには「人間関係が悪かった」、「ノルマがきつい」、「残業が多い」など、ネガティブな動機から転職を考える人もいるでしょう。しかし、選考においてネガティブな理由をそのまま伝えてはいけません。
なぜなら「同じ理由で早期離職するかも」という不安材料を与えてしまうことになるからです。また、ネガティブな理由は「他責思考」とも捉えられ、チームワークに支障をきたすとして採用を見送られる可能性が高まります。
そのため、実際はネガティブな理由での転職であったとしてもポジティブに言い換える必要があります。たとえば「ノルマがきつい」ことが理由で転職する場合は、「一件一件とじっくり向き合い、顧客との関係性を育み、信頼関係を築ける仕事をしたい」といった具合に言い換えましょう。
ポテンシャルをアピールする
第二新卒に該当する25歳は、これまでの実績よりもポテンシャルを重視した採用が行われます。そのため、「前職やプライベートで努力したこと」や「コミュニケーション能力があることを示すエピソード」など、ポテンシャルが高いことをアピールしていきましょう。
ただし、何でもかんでも話せばよいという訳ではありません。自身が努力してきたことや、保有する能力・スキルのなかから、転職先として選んだ未経験業種との親和性を見つけて、「だから役に立てる」ということをアピールする必要があります。
ちなみにここで企業研究・業界研究が活きてきます。これらに合わせて、能力・スキルの棚卸しをすることで、共通点を見つけやすくなりポテンシャルのアピールもしやすくなります。
転職エージェントを活用する
詳しくは後述しますが、転職先を探す方法はいくつかあります。そのなかでも転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーによる転職活動のサポートを受けられます。キャリアアドバイザーは、求職者の特性を考慮して最適な求人を紹介するだけでなく、面接対策や日時の調整、就業時の給与交渉などを行ってくれるため、スキルの有無に関係なく自力で活動するよりも良い条件での転職が期待できます。
25歳女性におすすめの転職先の探し方
最後に、25歳女性におすすめの転職先を探す方法を紹介します。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
転職エージェント | ・選考対策のサポートを受けられる ・自分の客観的な市場価値を計れる | ・自分のペースで活動を進めづらい ・担当者によってサポートの質が異なる |
転職サイト | ・自分のペースで転職活動ができる ・求人数が多く、幅も広い | ・自力で求人を探す必要があり、時間がかかる |
25歳女性が転職する際に特におすすめなのが、転職エージェントの活用です。転職市場で需要の高い25歳であれば、転職サイトを使って自力で転職先を探しても優良企業が見つかる可能性は高いでしょう。
しかし、転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーが求職者の特性と企業のニーズを考慮して最適な求人を紹介してくれます。
採用ミスマッチが起きにくいうえに、選考対策や企業との労働条件の交渉なども含めて転職が決まるまでキャリアアドバイザーが伴走してくれるため、途中で挫ける可能性が低く、転職を成功させやすくなります。そのため、25歳の売り手市場であっても転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェント
転職エージェントは、在籍するキャリアアドバイザーからのアドバイスを受けつつ、転職活動ができるサービスです。希望条件を伝えると、その条件に合致した企業を紹介してくれます。また面談によって適性を判断し、より最適な業界・職種をアドバイスしてくれることもあります。
履歴書・職務経歴書の作成・提出から面接のスケジューリング、労働条件の交渉まで対応してくれるので、ライフステージの変化を予定しており、転職活動の難航が予想される場合でも安心感を持って転職活動に挑めるでしょう。
特に一人での転職活動が不安な女性や、現職や子育てに追われて転職活動に割く時間があまり取れない女性におすすめです。また、転職エージェントでは非公開求人も多く保有しているため、好条件での転職を成功させたい女性も利用したいサービスです。
転職サイト
転職サイトには幅広い業界・職種の求人が掲載されているため、未経験の業界・職種への転職を考えている女性におすすめです。自身で求人を探し、応募する必要があり、マイペースに転職活動ができるため、転職先をじっくり吟味したい女性にもおすすめの方法です。また、検索条件も細かく設定できるため、希望する条件に合致する企業を見つけやすいでしょう。
一方で、自分一人で企業選びから書類の準備、面接対策などを行わなければいけないため、自走できる人でないと途中で断念する可能性が高くなります。そのため、一人での転職活動が不安という人や、早めに転職先を決めてしまいたいという人は、転職エージェントの活用がおすすめです。
いずれの方法を採るにしても、実際に就業している女性の口コミや評判から気になる企業の実態を知ることが大切です。「SHEHUB」では、企業ごとに実際に就業経験のある先輩女性社員の口コミ・評判を掲載しています。転職先を選ぶ際の目安になるので、転職の際にはぜひご利用ください。
まとめ:25歳で転職は遅くない!むしろ転職に最適な時期
25歳は需要の高い年齢なので、転職市場では引く手あまたです。しかし、短期間で仕事を辞め、複数回転職を繰り返しているなど、早期離職を想像させる特徴を持つ女性は、転職理由などの伝え方を工夫しないと、なかなか転職先を決めることができないでしょう。
転職で失敗してもやり直しがきく25歳ですが、20代後半になるほど即戦力採用が主流になるため、ポテンシャル採用による恩恵を受けづらくなります。転職活動自体もしんどい作業が多いため、可能であれば今回の転職で成功を収めたいところです。そうするためには、転職先選びが重要なポイントになります。
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